東アジアの通貨危機
1997年7月にタイに起きた通貨危機は、その後OECFの主要な援助対象地域である東南アジアの国々に広まり、これらの国の経済に対して多大な影響を与えています。
今回からは、この通貨危機について取り上げ、東南アジアの国々が今後の経済回復に向かって努力していくための課題について検討したいと思います。
通貨危機を引き起こした直接の原因は、ドル・ペッグ制に代表される為替政策にあるでしょう。
しかし、その他にも経済のファンダメンタルズの悪化、投機家の自己実現的投機、アジア型の政治・経済体制、金融機関のモラル・ハザードなど、様々な点が指摘されています。
従って解決すべき課題もそれだけ複雑で数多いものと思われます。
1997年7月2日、タイ・バーツが管理変動相場制に移行し、同日中にバーツはドルに対して14%下落、タイバーツの下落は周辺国に波及しました。
例えばマレーシアは、リンギの売り攻勢に対抗するため7月2日以降大規模な介入を行いましたが、7月14日には買い支えを放棄し、リンギは市場の実勢に委ねられることとなりました。
フィリピンも7月11日に政府が為替レートの下落を容認し、相場は市場実勢に委ねられました。
大木一雄さんによれば、インドネシアは7月中は大きな動きはなかったのですが、8月中旬に大規模なルピァ売りの攻勢がくると、中央銀行はルピアの買い支えを断念し、他の東南アジア諸国と同様に相場を市場に委ねました。